「北欧、暮らしの道具店」との日々

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ハイネックニットの思い出

先日、北欧、暮らしの道具店でハイネックニットを買った。

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青いラインの入った黒のニットは、特別な日から着はじめようと、寒くなったある日、他の秋冬服をタンスのおくから引っ張り出した。そういえば、新しいニットと入れ替わりにと思っていた別のハイネックがあった。グレーのMHLで購入したニット。もう6年も前に買ったもので、所々薄くなって、毛玉も増えて、首の部分もちょっとヨレてしまっている。

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久しぶりにそのニットを手にとると、そういえばこのニットを初めて着た日のことを思い出した。

 

このニットを初めて着たのは、夫との初デートの日だった。大好きなお店で買った少し高価なそのニットを、とっておきの日だからと初めてのデートに着ていったのだ。ニット着るにはまだ少し暑くて、正直いうと、デートの間も暑いなぁと思っていた。それでも、いつもと違って大人っぽい姿を彼はどう見ているんだろう。少しドキドキ不安に思いながらデートを楽しんでいた記憶が、その気持ちと一緒に蘇ってきた。

その後もずっとこのニットは僕のお気に入りで、ちょっとおめかししたい日や、楽しいお出かけの日、そういうときに好んでこのニットを着ていた。結婚してからも、家族が増えてからもそれは変わらなくて、このニットは僕の冬の相棒だった。

 

新しいニットが来たから入れ替わりだなぁ、引退だなぁと思っていたけど、そんな記憶を思い出してしまって、なんだか手放すのが惜しくなってしまう。クローゼットの容量には限りがあるんだぞ。そう思いながらも、きっと今年も僕はこのニットを手放すことができないんだろうとも思う。

ようやく寒くなってきてニットの出番も近くなってきた。今年はこのグレーのニットと、それから新しい青いラインのニットが、僕と僕の思い出をそっと優しく包んでくれるに違いない。